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あさみside
黒のサテンのリボンを
つむじの近くに束ねた髪の根本で縛る
「・・・…ふふ」
私ね、
やっと慣れたんだ
もうお皿割らないし
お客さんにビールぶっかけないんだよ
「なのになんで」
「まだ洗い物が遅いんだよ」
「私こんなに成長したのに!?」
「成長するのが当然ですよ」
「…ふん」
店長のユウさんは本当に本当に意地悪だ
なんか働いてた人がサボってるらしくて
バイトの私は代用品なんだってさ
酷いよね?
「あーちゃん(笑)」
「すーちゃん、なんか言ってやってよっ」
「ユウさんはセコくて意地悪でド変態で熟女好きだからしゃーないよ」
「最後の二つは認めないぞ(笑)」
「あーちゃんまだ19なんだからさ(笑)」
「19だろーがなんだろーがバイトはバイト」
「はいはい、あーちゃん。頑張りなね」
「…あーちゃん、向こう行ってな」
「はぁい」
最近、
すーちゃんとユウさんは二人っきりで話してる
興味とかはないんだけど
いつもすーちゃん泣いてるから
助けてあげたいとか思っちゃうの
いつも二人で話す時、かならず言う
『ハル』って言葉。
季節なのかなーなんて思ってたら
ずっと聞いてて分かったの。
ナツさんのね、恋人なんだって
でもね。
その『ハル』って人
もう5ヶ月も皆に姿見せないの
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