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それは冬休みの事だった。
亜莉紗が高校受験だから、今回の冬休みは文深は亜莉紗と会うのは諦めようと思っていたのだが、亜莉紗本人に『いつも会っていたのだからどうしても会いたい』と言われ、12月に少しだけ亜莉紗の家にお邪魔する事にした。
その日は亜莉紗は1日塾の講習会という事で、時間が空いてしまった文深は、1人で都心部の方まで出て、映画でも観ようと思いついた。
亜莉紗の家の近くの街でも映画館はあるのだけれども、何となく冒険心が働いたのだろう。
でも、それだけでも、運命だったのだ…。
初めて、1人で東京の電車に乗り、緊張しながらもワクワクした。
順調に目的地に付いた文深が、気になっていた映画も観終え、少し街をブラブラしてから帰ろうと映画館を出ると…、
「うわぁ、スゴい…」
…雪が吹雪く様に降っていて、街全体が真っ白になっていた。
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