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亜莉紗は2つ年下の母方の従姉妹。 母親同士がとても仲が良く、家が近かった2人は、文深が中学生に上がる時、文深の家が父親の仕事の都合で遠くへ引っ越す事になるまでは、本当の姉妹の様に育った。 しかし、離れてしまっていても、長期の休みの度にどちらかの家に行って泊まらせてもらっていたし、普段から電話もしていて、普通の従姉妹関係と比べたら格段に仲が良かったと思う。 今回も、文深の父が海外赴任となった為、一緒に行かなくてはならない状況になってしまいそうな文深に協力してくれた。 両親は文深にも一緒に来て欲しいと望んだが、文深にはどうしても行きたくない理由があったから…。 亜莉紗は自分の親も説得してくれて、亜莉紗の家に定期的に顔を出すという条件で、小学生まで住んでいた元の家で1人暮らしをする事を許された。 亜莉紗には本当に感謝している…。 「亜莉紗…、本当にありがとう」 心からそう言うと、亜莉紗は、 「亜莉紗、文深ちゃんの為にも、ここに入ろうって必死で受験勉強したんだから」 と、プクッ…とほっぺを膨らませた。
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