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「…文深ちゃん、文深ちゃんこそ、今日も行ってきたの?」 亜莉紗に言われて、文深の胸は思い出した様にズキン…と痛くなった。 「うん…」 「文深ちゃんの《トーヤ》さんは、今頃どこでどうしてるんだろうね…」 4ヶ月前、雪の日に出逢ったあの人。 分かっているのは《トーヤ》という名前と…。 「受験生だって言ってたから、きっと大学生になってるはずだよ」 けれど、東京近郊には大学なんて数え切れない程ある。 《トーヤ》という名前だけでなんて、探しきれる訳がない。
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