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それでも、諦めきれなくて、トーヤもきっと文深の事を探してくれてると信じたくて…。 文深はこちらへ来てから毎日、電車賃をかけて、都心部のトーヤと出逢った場所へと通っている。 もう1度、どうしても逢いたい。 だって、あの日1日だけで、彼は文深の全てを奪い去ってしまったから。 「愛してる」と、囁かれて、「愛してる」と返した、あの時の2人の気持ちは本物だった筈だから…。 だからこそ、悔やみきれない。 自分が許せない。 何故あの時、連絡先をしっかりと交換していなかったのだろう。 2人を繋ぐ、たった1本の糸を、携帯という名の機械に何故頼ってしまったのだろう…と。
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