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「委員長」
「いい。開けろ」
前を歩いていた、原田たちが一つのドアの前で立ち止まり、土方に振り返る。
その土方の返答に頷いて、原田がカチャリとドアノブを回した。
つまり、風紀室への到着だ。
ごくり、と御園が喉を鳴らす音がその場に響く。そりゃあそうだ、あくまで不良気取りのエセヤンキーだしね。
鬼の巣窟、なんて噂される風紀室に入るなんてどんなに勇気がいることか。
まあ、―…鬼の巣窟、なんて。全然そんなことないんだけどな。
くすり、と口角を持ち上げるとそれを土方に目で咎められて、分かってる。と同じように目で返した。
分かってるよ、――ここからが愉しくて面倒な、山場であり正念場。
俺の目的を果たすためには、失敗は許されない。
廊下に残された俺と土方だけが、目線を一度だけ交わす。そして、一歩。風紀室へと俺は足を踏み入れた。
『………ふ、』
入った直後、俺は思わず小さく吹き出さした。土方が再び俺をじろりと見る。
だってさ?
――面白すぎるでしょ、この状況。
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