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すると、おい!と今まで黙っていたバ会長が山南さんに声を掛ける。
「よりによって山南……!てめぇが何故ここにいやがる!」
「おや、これは。梶原会長ではないですか。いつから此処に?」
「なっ!?さっきからずっといただろうが!」
「何故ここにって、私も風紀委員の一員なんですからいたって不思議じゃないでしょう。……だいじょうぶですか頭」
噛み合っているようで、噛み合っていない会話が繰り広げられる。絡んできたバ会長に標的を移したらしい山南さんが再びにこにこと言葉を放つ。
お疲れさまです。と、毒気を笑顔の裏にひそめて最後に締めくくった山南さんに、バ会長はわなわなと震えて、口を閉じた。
―…勝負あり、ってとこか。
そんなことを思い浮かべたところで、後ろからため息が聞こえてきた。
「………お前ら、気は済んだだろ。早く座れ。山南さんもその辺でやめとけ」
「ええ、そうします。あ、紅茶でも淹れてきますね」
「俺様はコーヒーしか飲まねぇぞ」
「じゃあ梶原会長は飲まなくていいですよ」
言い負かされたことを根に持っているのだろう、バ会長がじっとりとした目で山南さんに言う。それをあっさりと切り捨てた山南さんは、俺に目だけで笑いかけると給湯室へと向かって行った。
それを皮切りに、ぞろぞろと風紀室の面々がソファーに腰掛けていく。
大きなテーブルの上座の二人掛けソファーに土方。そして紅茶を淹れ終わった山南さん。
その正面には原田、永倉、藤堂、斉藤。
テーブルの左側には、バ会長、ドM、無口ワンコ。
右側には、俺、夜、小春が座った。
生徒会の双子は、近くの椅子に二人寄り添って座り、事件と直接は無関係な淳や爽やかはその側にいる。
御園は、小春の側を離れようとしないものの、座る場所がないので脇の方に立つ。ざまぁ。
…つまり、テーブルを挟んで俺や夜に小春と、生徒会が向かい合う様子を風紀が両側から圧をかける状況ができあがった。
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