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「――まず、風紀の見解だが。双方の意見、反論は後で聞くとして。……原田。」
「あぁ。今回の騒ぎの流れは、まず2年のSAクラスで、そこの明智小春の私物に悪質な悪戯がされていたのを発見したのが発端だろ。そんで、何故か3年のくせに2年の階に来て、挙げ句、明智のクラスに朝から入り浸っていた梶原を含む生徒会がそれを騒ぎ立てた、と。
……白石の番犬に教室入れてもらえなかった間に、廊下にいた2SAの奴から聞き出した話だ。確実性は高いと思うぜ。」
たれ目がちな瞳をゆるり細めて、原田が挑発的な視線を生徒会に向けながら、言う。ああ見えて、喧嘩っ早い原田のことだ。今にも、ほんとは手出しそうなのを我慢してるんだろうな。
「―ここからは、俺が。」
そこで、す、と音も立てずに風紀幹部の一人が前に歩み寄る。
そして、顔を上げた途端、露わになった鋭い三白眼に俺は少し驚く。
……山崎じゃん。
見ないと思ったら、こんなところにいたんだ。
1年のはずなのに、3年といわれても遜色ない体格と貫禄を持つ山崎の姿に生徒会や、他の人たちも圧倒されていた。
無理もない。
親衛隊持ちでない、風紀幹部がいくら目立つといっても、滅多に姿を表さない監察担当の山崎は、ほとんどその存在を知られていないんだから。
「……騒ぎの間、教室内でそれを目撃していたのは此処の面々を除けば、SAに属する生徒の数人と他クラスから騒ぎを見るためやってきていた親衛隊に属する生徒だけでした。親衛隊所属の生徒ではなく、そのSAの生徒から聞いた話をまとめると。
生徒会が騒ぎ立てていると、その後から登校してきたのが御園仁、風見優の2人。騒ぎを知って、怒鳴り、片っ端からギャラリーに御園が声をかける中、教室に顔を出したのが――白石深月。その時点で藤宮夜は廊下に留まっていた、と。
そこで、白石と生徒会が言い合うと同時に、何事かを御園が白石に対し怒鳴る。
その受け答えに、逆上した御園が白石を殴る。その後は、白石が御園に暴行をはたらき、そして――それを止めたのが、委員長だと。」
「……この流れについて、何か事実と食い違う部分はあるか?」
土方が、俺をみる。
『………ないね、その通り。』
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