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はあ、ともう一度だけ溜め息をついて。
「まあ、嫌だよね。……叔父や叔母は私を可愛がってくれるけどさ」
そう、答えた。
それに頼子は眉を寄せて、心配そうに私を見つめた。
「確かにやっぱり他人の家にひとり入るのって勇気いるよね。その家の空気とか、どのポジションにいるべきか、とか」
「ポジションて」
はは、と笑って。
確かになあ、と納得する。
やっぱりもう出来上がっている家にひょいっと放り込まれるのにも不安はある。
……けれど、それ以上に。
ん、とグラウンドに目線を向け、頼子にも見るよう促す。
「なに?……ああ、中等部の子たちだ。何だろ、見学に来てんのかな」
放課後のグラウンドには陸上部とサッカー部がいる。
どうやらクラス単位で見学に来ているらしく、かなりの中等部の子たちがフェンスの手前を陣取っていた。
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