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「あれ、中等部三年の子たち。
あの中に従兄弟いる」
「え、従兄弟?どれ」
「あーれ」
窓の縁にもたれかかって
ある男子生徒を指差した。
「あれったっていっぱい人いるからわかんないな。とりあえず女?男?」
「……男」
言った瞬間、あーなるほど、と頼子は笑った。
「だから憂鬱なわけだ、預けられんの」
「まー、そうだね」
本当は男子だから、という理由じゃない。
あれから。あの、キスの日から。
私は彼――達久(タツヒサ)と一度も話していないのだ。
「中3かあ。あれだね、ヤリたい盛りだね。そりゃあ一緒に居たくないわ」
ケラケラ笑う頼子に一発蹴りを入れる。
「止めて下さい頼子さん。不潔ー」
「あら、いいじゃない。上手くいけば処女喪失出来るんじゃなくって?」
「なんで従兄弟とそうなんのよ。しないししたくないし」
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