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…――キスの後。 私は達久が大嫌いになった。 あんなに大事で、大切で、愛しかった従兄弟だったのに。 唇が離れた瞬間、私は達久を力いっぱい突き飛ばした。 停滞していたはずの涙は堰を切ったようにぼたぼた流れていた。 『最低…!最低!!!』 何度も何度も罵声を浴びせた。 どうして。 どうしてなの。 あんな事実を知った後にどうして"従兄弟"が私にキスなんてするの。 『ミコ姉、待っ――』 『達久なんか大っっ嫌い!大嫌いだ……!』 無我夢中で境内を飛び出した。 一段飛ばしで神社からの階段を駆け降りた。 知らない街だった。 周りに誰もいなかった。 セカイに多分、二人だけだった。 けれどそのセカイは、私にはもう必要無かった。 『ミコ姉……!』 達久の私を呼ぶ声が耳にこびりついていた。
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