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「ミコ、着いたよ。降りなさい」 ああ、これは刑の宣告に似てる。 私に課せられた罰は、気まずい空間にこれから約二年間押し込められることだ。 じゃあ私が犯した罪は、達久をあれから二年、避けつづけて来たことだろうか。 ……馬鹿らし。 父が車のドアを開けてくれたので、私はそこから意を決して降りた。 それに多分、達久だって私と同じくらい、いやそれ以上にこの環境を歓迎していないはずだった。 気まずさを作り出した張本人。 加害者のが被害者より、どうしていいか分からないだろう。 「荷物、これだけで良かったのか」 「大丈夫。服と勉強道具さえあればなんとかなるから。家具はもうあっちの家の方に送ったんだっけ」 「ああ。あと、余った家具は知り合いの倉庫に預かってもらった。また何年かしたら帰ってくるからな。そしたらまた一緒に家を探そう」 「了解」
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