雫が

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首筋をつたう彼の唇は、胸の真ん中に咲いている花弁にたどり着いて。 まるでそこに、甘い密でも存在しているかのように、その花弁にそっと触れる。 わずかな衝撃に身体の半分がぐらりと傾くと、結い上げていた髪が、ぱさり、ぱさりと落ちてきた。 その髪を手のひらに巻き付け、彼が囁く。 「 最初は女の子がいいな。縁先輩によく似た女の子。」 クスリと楽しそうに笑いながら。
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