雫が

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「 …子どもなんて…」 考えた事もない、と、後に続く言葉は、与えられる快感の波に流されてゆく。 でも、囁かれたその言葉は。 溶けかかった意識をかわして、身体の一番奥へとたどり着き、そこにあった本能を、ツキリと、突き刺した。 ゙好きになった男の子どもを産みたい"と、いう女の本能を。 そうなってしまえば。 人間としての理性など、ぽろりぽろりと剥がれ落ちて。 眼の前にいる男の細胞を受け入れる事にためらいがなくなり、身体の隅々までもがやわらかく開いていく。
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