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「わざとですがラスカル」 「わざとは駄目だろワトソン君」 そういえば、ラスカルとワトソン君って別の話じゃ無かったか?と言う疑問は頭のすみにおいといて。 「…まあ、無二の親友の個人情報は守るとしよう。わっはっは」 「嘘つけ、守る気ねぇだろ」 棒読みで、頭の隅ですら思いもしていないはずの言葉を紡ぐ巫人にびしりと言い返したのだけれど、まぁなの一言で片付けられてしまった。 軽く睨み付けると、どう話をしても毎回方向をずらしてくる巫人の手元にある黒いハードカバーの本を取り上げる。 「…夢は、その人の願望や現実に起こったことがフラッシュバックしたようなものらしい。だが、それは感覚的なものでしかない。以上」 面倒くさい、本を返せと眼鏡を押し上げて目で訴える巫人の視線を無視して、本をちらつかせる。 「話が終わるまで返さない」 「……記憶の整理中に過去にあったことが混ざり合って、夢にそれをみる。予知夢の場合は根本的に違う」
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