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「…ん、殺気だ。」
と、呑気に呟く。
(部屋の中だと片付けメンドいな…)
そんなことを考えながら窓から屋根へ出る。
すると、案の定その殺気が追いかけてきた。
「…はぁ、雑魚か」
と呟くとくるり、と方向を変えて攻撃を仕掛ける。
「!!」
逃げる間も避ける間も与えず、ターゲットの首をはねる。
「ギィィ!!」
首をなくしたターゲットは屋根からずり落ち消滅する。
それを見下ろしていると、妖気が近づいてくるのを感じた。
「…っ!!」
(この妖気、強い…私で勝てるか…)
と考えていると、殺気がないことに気付く。
「…?」
トン、と目の前に人影ができる。
「こんな夜更けに、女の子の一人歩きは危ないんじゃねーの?」
ツンツンしているがどこか優しい雰囲気の声が聞こえた。
「…誰?」
「あ、ワリィワリィ、俺蓮ってんだ!よろしくな!」
月明かりで目の前の人物の顔が見えるようになる。
その顔はどこか人懐っこそうで少し鋭いが比較的大きく、深紅の瞳が印象的な整った顔立ちの男の子。
年齢は人間の世界でいう、高校生くらいだ。
「…紅葉…」
「紅葉ってのか!仲良くしてくれよ!」
(早速、呼び捨てっすか…良いけど )
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