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「……きれい、あなたの瞳」
小さな声で呟き、首を傾けて小さく微笑む。頭にかかる布はずれ落ち、少女の白い髪が姿を現した。
(全部白髪、なのか?……違った、か?……疲れてんのかな……)
少女の顔は作られた人形のように美しく、長い睫毛は薄い灰色をし、その中で輝く青い瞳はとても魅力的だ。
「……どしたの?顔、赤いよ」
そんな顔で見つめられると誰だって少しは赤面してしまいそうになる。
「(顔ちかっ!!)って、ごめんなさい!!今、どくから!!」
股がったままのことに気がつき、慌てた顔から更に慌てた顔をさせて立ち上がり、少女ら距離をおく。
少女も立ち上がろうとするが、大きなお腹の鳴る音がする。
「……お腹、減ったみたい」
今度は少女が顔を赤らめ、布の下でお腹を撫でる。
「あ、あのさぁ、よかったら……これ、食べる?」
どぎまぎとした口調で鞄から茶色い袋を取りだし、袋を丁寧に開けた。
少女はそれをキョトンとした目で見る。
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