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「とにかく見に行くぞ!!お前ら2人はそいつを別の出口から連れていけ!!」
数秒の沈黙を破ったのは体つきの良い男。白布を見つけた2人に任せると、一緒に来た5人と下の階へと向かった。
「せっかく自由になれるチャンスだと言うのに……」
残された髭面の男はボソッと呟く。その顔に一筋の汗が流れた。
一方、下のロビーに着いた男達は唖然としていた。建物の内部まで侵入した雑草の上に転がった仲間。皆、着ているスーツは穴だらけに。
その屍の中に立っている、2人の女のシルエット。
それは暗がりながら男達の視界に映る。
「これで12人目ね。……あら、まだいたの?」
「まだいたの?ふふふっ」
前者は赤い髪で活気のある声、後者は対象的な青い髪を持ち、最後に不気味に笑った。
2人はよく似た顔立ちをしている。
「こいつら、警察じゃ……ないよな」
「これ女2人がやったと言うのか……」
次々に小声をもらす。その中の1人が懐から銃を取り出そうとする。
その瞬間、鋭い銃声がロビーに響き渡り、その男は仰向けに倒れた。
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