= ProLogue =

5/6
前へ
/36ページ
次へ
「とにかく見に行くぞ!!お前ら2人はそいつを別の出口から連れていけ!!」  数秒の沈黙を破ったのは体つきの良い男。白布を見つけた2人に任せると、一緒に来た5人と下の階へと向かった。 「せっかく自由になれるチャンスだと言うのに……」  残された髭面の男はボソッと呟く。その顔に一筋の汗が流れた。  一方、下のロビーに着いた男達は唖然としていた。建物の内部まで侵入した雑草の上に転がった仲間。皆、着ているスーツは穴だらけに。  その屍の中に立っている、2人の女のシルエット。  それは暗がりながら男達の視界に映る。 「これで12人目ね。……あら、まだいたの?」 「まだいたの?ふふふっ」  前者は赤い髪で活気のある声、後者は対象的な青い髪を持ち、最後に不気味に笑った。  2人はよく似た顔立ちをしている。 「こいつら、警察じゃ……ないよな」 「これ女2人がやったと言うのか……」  次々に小声をもらす。その中の1人が懐から銃を取り出そうとする。  その瞬間、鋭い銃声がロビーに響き渡り、その男は仰向けに倒れた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加