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黙る美夕里ごしに奥さんが目を細め、こっちを厳しい眼つきで見ている。
微妙な空気になっている
そうそうに鹿野に退出してもらうかと考えていると、カランコロンと気の抜けた音と共にドアが開き、人が入ってきた。
「よっ、可愛い彼女に謝ったか。」と声を掛けてくる。つい条件反射で「おう。」と返す。
「同期の塚戸です。よろしくね。」と軽く挨拶し、鹿野の隣に座る。
「マスター、みんなにホットいれて。」と常連のように話しかける。そんな塚戸に一瞬目をひらくが、
「そうだね。今日はいい珈琲豆入ったからこれにしようか。イタリアンロースト、軽い口当りだけど、匂いと後味がわずかに残ってリラックスするんだよ。」
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