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珈琲のお陰か、塚戸のお陰か空気はさっきより和らいだ気がした。
「今日は本当ごめんね。」塚戸が前に乗りだし俺ごしに美夕里に謝る。おいっと俺が口を挟む隙を与えず、塚戸は話を続ける。
「約束してたんでしよ、こいつと。」
「えっ、はい。…仕事ですし仕方ないです。」
「俺も一緒に残業してたんだけどさ。こいつ、真面目だからはよ帰れって言ってんのに、最後まで仕事していくし。そのくせ、はよ帰りたいからか眉間に皺寄せてやんの。」
「そうなんですか。」と呟く美夕里は少し嬉しそうだ。
「そうそう。残業帰りなのに見たことないほど急いで帰るから気になってさ。ごめんね、こんな所まで押しかけて。」
「はぁ、お前らやっぱりな。」と俺が言うとなぜか塚戸はウィンクしてくる。
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