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生まれたときは体のあらゆる場所が過敏で、抱っこどころか触ることも不愉快に感じてしまっていたなずな。
大半の子供は車の揺れが心地よく感じ、寝てしまうことが多い。
でもなずなはその揺れが不愉快で大嫌いで、手がつけられなくなるほど号泣していた。
今でも車の揺れは苦手だけれど、最近はトランポリンや滑り台、ブランコなどの激しいものが大好きになっていた。
そんななずなにとって、離陸のスピードと爆音はかなりツボだったらしい。
凄く心配していただけに拍子抜けだったけれど、泣かれるよりは良かったなと思った。
でもそのあとのなずなは到着までの約1時間、ずっと機嫌が悪いままだった。
私はその間、なずなの方へ体を向けながらすごしていたため腰が凄く痛くなった。
少しずつ高度が下がってきて、ようやくこの空間から解放されるんだとほっと息を吐いたとき、今度は気圧の関係で琉輝は耳が痛くなったらしく。
「もう飛行機なんて嫌や! 電車でくれば良かった! 帰る時飛行機に乗らんからっ!」
と叫んでしまった。
そんなことを言っていた琉輝だけれど、帰りも普通に飛行機に乗ってくれた。
そんなこんなで無事着陸し、そのまま親戚宅へと向かった。
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