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先月末、小児内科へ受診に行った時、今まで何度も訊こう訊こうと思いながら、訊けなかったことを訊いてきた。
なずなの脳の状態。
生まれた時にMRI検査をしたら、脳の中心部分が幅広く白く写っていた。
これは脳に酸素がいかない時期があり、脳の細胞が死んでしまった部分。
そしてその8ヶ月後に再度MRI検査をした時、その白い部分が萎縮し消滅してしまっていた。
その後ずっと怖くて詳しいことを訊けずにいた。
だって生後すぐ検査した時に、黒沢先生からは『死んでしまった細胞は、脳の中でも1番大切な部分だ』ということは聞いていたから。
けれどもっと詳しく聞かなければ、ちゃんとなずなの障害と向かい合えないと思った。
だから覚悟を決めて訊いた。
そしたら、黒沢先生は脳のMRI写真を見ながら事細かに説明してくれた。
大脳は大部分が萎縮し、前頭葉の萎縮も少しずつ進んでいる。
そして脳の中で1番大切な両側基底核(神経核の集まり)、視床も完全に萎縮してしまっているらしい。
残念ながら脳の細胞が再生することはない。
でも萎縮してしまった場所の周りの細胞が、思わぬ成長を遂げることはある。
無くなってしまった細胞の事をいつまでもくよくよ考えていたって何も始まらない。
今ある細胞の中で、なずなが少しでも成長していってくれたらなって思う。
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