293人が本棚に入れています
本棚に追加
そして琉輝と昂輝にはまだ理解できないだろうと、なずなは病気で普通より歩くのが遅かったり、口から食べることができない……と教えていた。
でも最近2人は、
『いつ歩くようになるの?』
とか、
『いつ口から食べれるようになるの?』
とか訊いてくるようになった。
正直答えに困っていた。
でも今ならわかってくれるかもしれない。
今教えるべきなのかもしれない。
そう思って、この日重い口を開いた。
「琉輝、昂輝、聞いて。奈瑞菜の病気の事でちゃんと話したいことがあるの」
「ん? なに?」
リビングの中心で、3人で小さな輪を作って座りながら話し始めた。
「脳みそってわかる?」
「わかるよ。頭の中にあるやつやろ?」
「そうそう。奈瑞菜の脳みその1番大事な所……“手を動かしなさい”とか“食べ物をお口から食べなさい”とか、そういう命令するところがなくなっちゃったの」
最初のコメントを投稿しよう!