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小夜はそう言いながらも、少し照れくさそうだった。
ミュラー「さ、座りたまえ」
ミュラーはそう言うと椅子を引き、小夜を座らせた。
ミュラー「私の部下が君に酷い事をしていたみたいだね…すまなかった」
小夜「気にして無いわ…戦車乗りになった時からそのぐらい覚悟していた…」
ミュラー「そうか…」
ミュラーは小夜にコーヒーを入れると言った。
ミュラー「君は3ヶ月後に行われる捕虜交換で、帰れるだろう…それまではあのような間違いが無いように、私が保護するつもりだ」
小夜「ありがとう…礼は言っておくわ…でも貴方を許したわけじゃない…」
小夜「東条も川口も佐山も…スポンサーがついてこれからって時だった…」
小夜「わかっている…指揮していた私が全て悪いんだって事は…」
小夜「でも…それでも…私は貴方が許せない…」
ミュラー「君が私を恨むのはわかる…もしまた戦場で私と戦う事があるなら、私を討ちたまえ…」
小夜「…」
ミュラー「しかし私も指揮官としての責務がある…黙って君に討たれるわけにはいかない、それはわかって欲しい」
小夜「わかっている…実力で倒す…」
暫しの沈黙のあと小夜が口を開いた。
小夜「こんな事言って置いて、何だけど…1つ頼みがある…」
ミュラー「なにかね?」
小夜「私と一緒に連れてこられた捕虜…アリシア…彼女も保護してほしい…」
ミュラー「無論君を保護した時に直ぐに彼女も保護したが…」
小夜「?」
ミュラー「彼女が君といたくないと拒否してきたのだよ…」
小夜「そう…当然よ…私の判断でアリシアの恋人…東条の命を奪ってしまったのだから…」
小夜は悲しげな顔でうつむいた。
ミュラー「しかし安心したまえ、彼女は別の部屋で保護している…乱暴をうける事はないだろう…」
小夜「そう…ありがとう…」
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