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小夜「これが私と君の父上との出会いだ」
理奈「お父さん生きているんですね、よかった…」
涙で顔を濡らしていた理奈に微かに笑顔が戻った。
小夜「私は君の父上に君の事を頼まれたが…私と一緒に来るか来ないかを最終的に決めるのは君だ…どうする、私のもとに来るか?」
小夜の言葉に理奈は直ぐに答えた。
理奈「はい…行きます」
理奈「柊さんの言う様に、このエデンで生きて行くには…戦場にでるしかないから…」
小夜「そうか分かった…責任を持って私が君を戦車乗りにしよう」
小夜はそう言うと理奈の肩にそっと手を置き歩きだした。
小夜「紹介しよう、彼は黒木…主に砲手を担当する」
小夜は理奈に先程奪われたチケットを取り返してきた男を紹介した。
黒木「よろしくな…」
黒木は理奈と目を合わさず小さな声で言った。
理奈「よろしくお願いします」
理奈はぺこりと挨拶をした。
小夜はあるきながら更に話を続ける。
小夜「私もこの町に帰ってきて余り時間が経っていない…先ずは戦車を手にいれなければならない」
小夜「そこで理奈…君に相談なのだが」
理奈「はい」
小夜「君の持っているチケットを私にくれないか?」
理奈は先程黒木が取り返してきたチケットを小夜に渡した。
理奈「はい、勿論いいですよ、これ戦車を買うチケットなんですよね?」
小夜「ああ、そうだ、このゴールドチケットがあれば中戦車を買う事ができる」
小夜は理奈からチケットを受け取った。
小夜「ありがとう、感謝する」
理奈「いいえ、いいんです」
理奈は笑顔でそう言った。
小夜「私達はフリーランスの傭兵だ、儲けも多いが出費も多い…必要な物は全て自分達で揃える必要がある」
理奈「はい、昔父に少し聞いた事があります」
小夜「そうか、それなら話は早い」
小夜「ここからが私達3人のスタートだ…」
理奈「はい…私にどれだけの事が出来るかわかりませんが…頑張ります」
3人は雨の降るなか傘もささずに歩いていた。
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