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光りといっても、ライトのように強烈なものではない。
ごくわずかなものだ。
まわりの色が赤から黒に変わりつつある時間帯でなければ、気がつかなかったかもしれない。
とにかく近づき、その光るものを見る。
石だ。真っ黒い石。
そのへんにある自然石ではない。
その石は表面に顔が写るほど磨かれていて、完全な球体をしていた。
ガラスのようにつるつるの表面に、夕日が反射していたのだ。
大きさはピンポン玉よりもひとまわり小さいくらい。
一見、鉄にも見えるが、持った感じは、重さといい手に伝わる感触と言い、やはり石だ。
――なんだろう? これ。
洋館の住人が捨てたのだろうか?
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