出会い

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出会い

ミサ 32歳。 朝目覚めると隣に彼はいなかった。 夕べの事を思い出してみる…。信じられないけど これが現実。 私は彼に頼りすぎてたのかな? 「仕事行かなきゃ…。」 私は意外と落ち着いていた。テーブルの上には彼の元から帰ってきた部屋の鍵 私は 無意識のままゴミ箱に投げ入れた 彼が居なくなった今必要ないと思った いつもの様に化粧もちゃんとして… 泣きすぎて腫れてしまった目を隠すように いつもより時間をかけてメイクをした。 「よし!」 鏡の中の自分を励ます様に気合いを入れてみた。 私が働くのは ちょっとした居酒屋みたいな所で創作料理をメインにしていた。 最初は小さなお店だったが意外と若い子たちに受け 今は三店舗に増え人気の居酒屋として親しまれていた。 オーナーは欲がでたのか またお店を増やす予定の様だ。 スタッフ募集は常にしていて 来るもの拒まずといった感じで……… おかげで長続きしない子ばかりだった。 見た目は華やかに見える仕事だったが実際は寝る時間も削らなきゃいけないほど忙しかった…。 だから 聡とはすれ違ってしまったんだろう。 もっと二人の時間を作っていたら 私達は違っていたのだろうか………。 そんな事を考えながら…。 店のドアを開ける。 「おはようございま~す」 みんなに知られない様に。 わざと明るくしてみた。 「レシピどうりやれないんだったら 帰れ!!!」 チーフの怒鳴り声が聞こえた。
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