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「マ、マイネーム イズ―――」
「……なんで日本人相手に英語なわけ? もしかしてお前馬鹿なの?」
「……えーっと、あはは……そ、そうですよね」
氷室は優に一八〇センチ以上はある中肉中背のスラリとした体格で、腰の位置が半端なく高い。
よく見ると指通りの良さそうな髪の毛をしている。
「高峰悠里……です。すみません、なんだか探させてしまったみたいで」
「別に、そんな恥ずかしいボード首から提げてれば誰だってわかる」
氷室は人差し指で未だに首から下げていたボードを差す。
悠里は我に帰るとボードをこそこそ鞄にしまいこんだ。
「お前があの「愛憎の果て」の作者か?」
不意にかけられたその言葉に自分の小説の名前を聞き、ぴくりとなる。
「は、はい」
「……ブサイク」
「へ? ……ブブブサ、ブサイク!?」
悠里は一瞬自分に何を言われたのかわからず、氷室の言葉をオウム返しにどもる。
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