第一章 始まりの妄想

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 青い海、白い雲、太陽の光がオーシャンビューを際立たせる。  絵に書いたような美しいリゾート景色。  純白をイメージした真っ白な外壁の別荘のテラスで、悠里はひとり珈琲を啜りながら至福の時間を過ごしていた。 「悠里様、珈琲のおかわりはいかがでしょう?」  その美声に振り向くと、非の打ち所のない美丈夫な執事が軽く頭を垂れている。 「悠里様、恐れながら……先ほどのクッキーがお口についておりますよ。ふふ、私が拭いてさし上げます」  日本人離れした鼻梁にキメの細かな肌、細くて長い指が口元を拭う……。 「悠里様……こんな可愛らしいお口を無防備に私に晒すなんて、いけない人ですね……思わず口づけてしまいたくなります」  そっと顎に指を添えられて軽く持ち上げられると、ゆっくりとその端整な顔立ちが近づいて来る……。
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