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Chapter2
大海出版は東京の都心部にある大手出版社だ。
電車に揺られて窓の外を眺めていると遠くに飛行機が飛び立っていくのが見えた。
『あの飛行機は何処へ行くんだろう……』
悠里はこの光景を見るといつも思う、どんな国へ行くのだろうかと想像する。
そして自分もその飛行機に乗っていて、とあるアラブ諸国に降り立つ、そこでスリに出会って途方にくれているところをひとりの美少年が声をかけてくる……。
そして、その美少年が実は石油王の息子で、一夜のアバンチュールを……。
「~~お出口は右側~~お降りの際はご注意ください」
「!……」
鼻の詰まった車掌アナウンスに悠里の妄想が途切れる。
悠里は携帯画面の時計を確認して、はぁ……と小さくため息づいた。
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