名も無い祠

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あの祠は一体誰の物なのか… 幼い頃から ずっと考えていた。 家の近くの山に それは寂しく立っている。 まるで 誰かを待つように… 自分の部屋の窓から見えるそれは… 春になると嬉しそうにしていた。 その周りに 千本の桜が咲き とても綺麗なのだ… 《祠が嬉し》そんな感情があるはず無いと誰もが感じるのに… 私には…。 祠の上に座り 桜を眺める者が… 見える…。 袴を履き… 腰に刀を差した… 男の人が…。
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