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隊員たちが居なくなれば、途端に静かになるこの部屋。
俺は椅子から立ち上がり窓をあけた。空を見上げると夕焼け色に染まっている。
俺がこの学園に入学して1年。だいぶここの生活にも慣れた。まさか親衛隊総隊長になるとは思っていなかったが。
でも、今の生活は意外と気に入っていた。たまに問題も起こるが、それ以外は平穏だ。
ふと、視線を空から下に向けると先程この部屋にいた隊員たちが笑顔でブンブンと手を振っている。
俺は口角を少し上げそれに軽く手を振り替えしながら、そのまま会議室を後にした。
俺はまだ知らなかった。
この平穏が、脆くも簡単に崩れ去ってしまうことを。
そして、転校生という嵐に自分が捲き込まれてしまうことも。
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