序章

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ヒソヒソヒソ また周りが俺を見て何か言っている 外に出ると必ず陰口を叩かれる 「あの子でしょ」 「そうそう。こらあの子に近付いちゃ駄目よ」 いつも周りに距離を置かれ近づいてくる人は誰もいない つまらないな 俺も皆と普通に遊びたいのに 「へーあの子が」 「化物みたいな力があるみたいだから近づかない方がいいわよ」 「あれが魔王って呼ばれてる子か」 俺はこの町の人々に魔王と呼ばれ常に避けられ続けている 名前で呼ばれることはなく魔王やあれ、あの子としか呼ばれない 俺だって人間でレオンという名前があるのに 何処に言っても陰口ばかり叩かれる 聞こえないふりをして足早に家へと帰る 町外れの森に入り少し進むとポツンと一軒の家が建っている そこが俺の家だ
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