序章

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調べているうちに古い文献に他の世界に行く方法が記されていてすでにそれを解読していた だがじーさんを残して何処かへ行く気にはなれなかった 「なんで知ってるんだって顔しとるな。当たり前だ儂はおまえの家族じゃぞ」 「じーさんにはかなわないな」 「儂が死んだら好きに生きろ。おまえの居場所が何処かに絶対あるはずじゃ。本当は儂なんて気にせず好きに生きて欲しかったんじゃがな」 俺は何があってもじーさんだけは見捨てない 俺の唯一の家族なんだ 「………」 色々喋りたいが言葉が出てこない 口を開いたらまた涙がこぼれそうだ 「本当凄い顔しとるの。笑えるわい。おまえも笑え」 「………」 「もうすぐ儂は死ぬ。その前に儂からおまえに言っときたいことがある…ゲホッ」 じーさんがむせて血を吐いた 「おい大丈夫か」 「いいから聞け」 じーさんは自分で口元を拭い話を続けた
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