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「圭介、くん？」
決まって夢の中の私は嘘でしょって声色でそう彼の名前を呼ぶ。それに反応することのない彼は私に気づいていない。
見たんだ。
彼の姿ならどんな場所に居ても絶対に見つけられる！そんな能力はあいにく持ち合わせていない。
だから何気なく、ほんとに何気なく見慣れたマフラーしてる人がいるなって目が追っただけ。
黒を基調とした青、紫のストライプが入ったマフラー。それは永井がいつも付けているもので見覚えがあった。
それが彼で偶然会うなんてついてるなって思ったのもつかの間、すぐに会わなければよかったと後悔する。
目を見開いた。驚いた時ってばちって目が開くわけじゃなくて、ゆっくりそれを確認するように瞼が持ち上がるんだ。
知らない女の子が彼の横にいた。
その子がつけていた手袋をはずしてゆっくりと彼の手に指を絡めるように触れた。
ちらりとその子に視線を投げた彼だけど、その手を振り払うことなく受け入れた。
何か彼女に向かって言っていたみたいだけど、何のアクションも起こすことなく二人は私の視界から外れるようにとある店に入って行った。
呆然としながらも私はゆっくりと視線を上げてその店を見てみる。
そこにはジュエリーショップと英語で書かれた看板がかかっていた。
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