あとがき

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 * * * 夏です。夏休みです。 受験から解放された今年の夏はきゃっきゃうふふの青春を送る予定です。 というか大学の入学式から私の頭の中はこれからめくりめく青春の1ページへの妄想で、すでにきゃっきゃうふふ状態です。 そうです!きゃっきゃうふふなんです! 海水浴にプール。バーベキューに肝試し。 夏祭りに花火大会。 アイス、スイカ、かき氷、流しそうめん、あんみつ、ところてん、冷やし中華、ラムネ…。 って食べ物のことばかりですが、去年は勉強、勉強、勉強の毎日。 能天気に私の隣でラムネを飲む弟を見て、何度苦汁を飲んできたのか。 でも今年はあやつが苦汁をなめる番です。はっはっはーー!! ちがう、ちがう。 論点はそこではありません。 大事なことなので何度も言いましょう。 きゃっきゃうふふなんです。 そしてそれは異性が絡みます。 男性です、男性。 お父さんでも弟さんでもない、男性です! なんて言っても大学生になって彼氏ができましたから! 夏休みは彼と一緒にきゃっきゃうふふなんです。 切れ長の瞳。 利発そうな顔立ち。 爽やかな短髪。 私を好きだと言ったその声。 高い身長。 あぁ、恋い焦がれるとはきっとこのこと。 彼に会いたい。 連絡先も知らない、一度しか会ったことがない彼氏さんに会いたくて仕方がありません。 4月に出会って、今は8月直前。 そろそろ二度目の対面があってもいいはずです。 いやいや、というかおかしいです。 なぜ、4か月も、放置? 会って聞きます。これは――― 「付き合ってると言えるんでしょうか?」  * * *
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