強制恋愛:finger

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もうすぐ卒業式だ。 今は大学4年生。 私は院には進まないから就職組。そして永井も就職組。 卒論やら入社の準備やらが忙しくて、忙しさを理由に永井とはずっと前から週に一度しか会わなくなった。 毎週日曜日。 もう半年くらいその周期で奴と会っていた。 私はありがたいことに就職は早々に8月に決まり、卒論だけに集中していた。 永井は多分10月くらいだったと思う。そのころから会っても実のない話をしてすぐに帰ってしまうことが多くなった。 まるで私と会うことが毎週の義務ように感じたこともあったけど、それを覆してしまうくらい永井といる時は幸せで穏やかな時間が流れていた。 「で、どっちにするの?」 「は?だから袴だってば」 突然かけられた言葉に反射的にそう答えた。 ドリンクバーのコーナーから帰って来た千里が自分のコップと私のコップの両方を自分の前に置いていた。 なんでくれないの、と私のコップの方に手を伸ばすとそれをさっとかわされた。 「続けるの、別れるのどっちにするの」 「なに。ずっと別れるって言ってるじゃん」 「ふーん」 彼女が私のコップから手を離した。 それを見て、むっとしながらもありがとうを言い、コップを取った。
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