強制恋愛:finger

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「翼ってさ恋愛小説読んだりする?特に携帯小説のほうの」 「あんまりないけど」 私が奪った彼女のコップを奪い返され、手元には醤油ブレンドだけが残った。 「内容はねぇ、自分しか見えてない。一方向しか視点がない」 「それが?」 「物語をこじらせてるのは当事者、彼女たちの思い込みがほとんど」 「だから?私に何の関係があるの」 はぁぁ、と千里が深く溜息をついた。 意味が分からない。 「私はリアルケータイ小説を観てるみたい、っていいたいの」 「意味わかんない。読まないし私」 「そっか。いいよ、私は読む側だから傍観を貫くね」 入れ直してくるから。 そう言って彼女はまた立ち上がっていってしまった。
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