強制恋愛:finger

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* * * 「お邪魔しまーす」 「・・・どうぞ」 来たる日曜日。 わざわざチャイムを鳴らした永井を出迎えるために玄関まで出向いた。 土曜の夕方にメールがきた。明日家行ってもいい?っていう。 断る理由もなく・・・というのはおかしいけど、別れたいと思ってる彼女の家に来るとかどうかと思うけど、いいよ、と一言だけ返信した。 (千里に未練があるって言われちゃったのはこういうことなのかな・・・) と思うのは家に来るってことでいつもより入念に掃除をしている自分がいるから。 いっそのこと足の踏み場もないくらい逆に散らかしてしまえっ!って掃除機を放り出しそうになったけど、それはちょっと自分が耐えられない。 それと何食わぬ顔で来た早々部屋の掃除を始める永井の顔が容易に思い浮かんだからやめた。
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