強制恋愛:finger

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それからコーヒーがいい、と牛乳と乳飲料を覆した要求をしてきた永井に悔しさからコーヒーに両方入れてやった。 「俺、コーヒー牛乳も好きなんだよね」 (・・・失念) 人ひとり分開けた隣に座り、映画を観た。 去年観に行こうとして自分達の都合と上映予定が合わなくて観れなかった映画。 原作のある本の映画化で、ほのぼの恋愛ミステリーだ。 一年たってDVDが発売したから借りてきたんだろう。 もう一本も似たような理由で観れなかった海外映画だ。 (・・・何してんだろうなぁ) 映画を一本観終えて二本目に突入しようと永井がDVDのセットをしているのを見ながらそう思う。 このまままた観始めて、見終わったら奴はすぐに帰るだろう。 密室、暗い室内。二人きり。 別に別れようと思ってるこいつに何も求めてないし、期待してない。 だけど。 (最後に肌を触れ合わせたのはいつだっけ・・・) こんな状況で何もされない事がそんな考えを持ってしまった。
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