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「浮気は誤解、とか。明らかに未成年っぽい女の子は自分の知り合いじゃない、とか。二人で仲良さげに宝石店入っていったのは私の見間違え、とかないのかなぁ・・・」
「それ聞くとどう考えても浮気じゃない?ってか実際に翼が見てんだからさ」
「だよねぇ・・・」
あ、付け足すと、滅多に私とは手なんかつながないのにその子とは恋人つなぎしてた、とか。
手が見える。そんだけ近くで目撃したのに私になんか気づかなかった、とか。
「全部うそだったらよかったのに・・・」
「ふーん。てかさ、あんたちゃんとなんで別れたいか言ったの?」
「それはいつも最初からはぐらかされてるから」
「それはあんたが最初っからどストレートに別れたい、なんて切り出すからじゃないのー」
「う」
「いい?最初は”あんた浮気したでしょっ!!”ダンって机思い切りたたくのよ。ヒステリックだとなおいいわ」
「・・・はぁ」
「世の浮気された女子の方々はそうやるって相場が決まってんのよ」
「相場、ですか」
「そうよ、ほんとに別れたいなら証拠の一つや二つ叩きつけてやんなさい」
「・・・うん」
運ばれてきた生ビールを実際にテーブルにたたきつけながら勢いに乗って言う彼女。
おーい、店員さんビビってるよ。
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