貧血

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なーくんの前に住んでいたアパートで、アタシはお風呂に入っていた。 寒い冬の日で、なーくんが、寒いから風呂に浸かりなと言ってくれて、アタシは湯舟に浸かった。 多分少し熱かったのかも知れない。 どんどんグラングランしてきて、目の前が、サ~っと真っ暗になり、 ヤバイ、早く出ようとお風呂を出たのだが、グラングラン状態。 声を出すにも力が出ない。 か細い声で、なーくんを呼ぶが、1Kとは言え、なーくんは部屋でお気に入りのオーディオで、お気に入りのCDを聞いていた。 なーくん… なーくん… え?呼んだ? 引き戸が開き、アタシを見て 『何してんの?』 なーくんは言った。 アタシはバスタオル一枚でしゃがんでいる。 『具合悪いの!?』 そう言うとこっちに来ようとしてたけど、バスタオル一枚かけてあるとは言え、アタシは真っ裸。
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