特等席

2/2

102人が本棚に入れています
本棚に追加
/364ページ
なーくんは、一軒家に引っ越してから、今までよりもよく、アタシを自分の家に呼んだ。 自分の事が出来るからだ。 うちに来ると、自分の物が一切無いから暇だと言い、アタシがよくなーくんの家に行く。 アタシは、テレビっ子で、なーくんちのビデオデッキに録画しておいたドラマや、オンタイムのテレビを見ながら眠くなったらそのままソファーで寝る…。 なーくんは、PCでネット見てたり、下の一階で壊れたオーディオをハンダを使って直したり、なーくんの趣味をしていた。 別に、別々の部屋で別々の事をしていても気にならず、アタシはたまぁにCMの時に階段を途中まで降りて、階段に座り、そこから見えるなーくんの趣味に没頭する姿を見ながら、くだらない話しを話しかけるのが好きだった。 『今ね、テレビで美味そうなハンバーグ特集してたよ。じゃーね~』 とか アタシ『別に用は無いけど、来てみたよ♪』 彼『どうせCMなんだろ?』 とか。こんなやり取りだけなんだけど、あの階段からなーくんを見るの、幸せだったなぁ。
/364ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加