第一章 さがしもの

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「あ……」 そこにいたのは、完全に人の形を取り戻した、髪の長い、翠菜に瓜二つの少女。 涙を流しながら見つめる双子の妹に、少女も目にうっすらと涙を浮かべながら微笑む。 ――元気でね、翠菜。ばいばい。 どこからともなくその声が聞こえたと同時に、遮断機が上がる。 少女の姿は、もう、どこにもなかった。
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