第二章 つきもの

2/19
前へ
/55ページ
次へ
真っ暗な廃病院の廊下を、小さな円筒形の明かりが照らす。 コツ…コツ……と靴音を響かせながら歩く、3つの影。 「うぅ……」 「だから言っただろ?茜はまだ子供なんだから来るなって」 「あかね、こどもじゃないよ!!」 「怖いんだろ?」 「こっ、こわくないもん!!」 「ほー。じゃあ服を掴んでいるこの手はなんだ?」 「お、おとうさん、こわいっておもってるかなーって……」 「ホントか~?」 「ほんとだもんっ!!」 頬を膨らませる小さな愛娘の頭を撫でていると、反対側から心配そうな声が聞こえてきた。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

170人が本棚に入れています
本棚に追加