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「………つまり、茜は死んだはずの碧衣ちゃんがいたから、あの家に行くのがイヤだったってこと?」
「うん……」
「……………さ、そろそろ行きましょ。明日は早いんだから」
再び、ゆっくりと歩き出す一行は、病室や手術室を覗きながら進んでいく。
最後のフロアである5階に着いたとき、彼らは妙な音を聞いた。
キイ…キイ……と何かが動く音。
「今の……聴こえた?」
「ああ……」
今までとはどこか空気が違うこの階。
少し戸惑いながらも、歩こうとしたとき、
「……茜?」
ついさっきまでしがみついて離れなかった茜が、ふらふらと進んでいく。
その表情は虚ろなもので、視線は向こうの暗闇に固定されている。
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