第二章 つきもの

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「茜……?どこに行くんだ?」 その問いには答えず、立ち止まることもなく、少女は闇に消えようとしている。 その時、2人は確かに聞いた。 茜の進む廊下の先から、少女の笑い声が……。 「あ、茜!行っちゃダメッ!!」 弾かれたように娘の後を追う母親についていきながら、彼も不安が隠せなかった。 さっきの発言からすると、娘は霊感があるということになる。そうでなくても、小さな子供は幽霊といったものを見やすい。 どこかで、霊感がある人を心霊スポットに連れて行ってはいけないと聞いたことがある。 その場にいる霊に取り憑かれる可能性が普通の人より高いという……。 「まさか……な」
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