第二章 つきもの

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動くことのできない二人を、車イスの少女はじっと見つめている。 茜のような虚ろな目とも違う、ただただ無感情な瞳。 と、茜が急にふらりと少女の後ろから離れ、二人の元に歩み寄る。 「茜……!」 自分を呼ぶ母親を見上げ、そして ドスッ! いつの間にか持っていたナイフで、腹を刺した。 笑顔のまま硬直した彼女は、茜がナイフを引くと同時にゆっくりと倒れていく。 それを無表情に見つめる茜は、続きとばかりに父親にも血に濡れたナイフを振りかざす。
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