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動くことのできない二人を、車イスの少女はじっと見つめている。
茜のような虚ろな目とも違う、ただただ無感情な瞳。
と、茜が急にふらりと少女の後ろから離れ、二人の元に歩み寄る。
「茜……!」
自分を呼ぶ母親を見上げ、そして
ドスッ!
いつの間にか持っていたナイフで、腹を刺した。
笑顔のまま硬直した彼女は、茜がナイフを引くと同時にゆっくりと倒れていく。
それを無表情に見つめる茜は、続きとばかりに父親にも血に濡れたナイフを振りかざす。
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