第二章 つきもの

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「は~………」 ため息をつきながら、沙耶が帰ってくるまで一眠りをしようと、目を閉じた瞬間、 カチャ…… ドアを控えめにそっと開ける音が。 開始3秒で夢の中に落ちようとしていた零夜は、まぶたをぴくりとさせただけで、起きようとはしない。 彼が寝ているソファはかなり大きいもので、しかもドアに背を向けるようになっていたので、動きさえしなければ、そこにいることはわからない。 つまり、せっかくの客なのに居留守を使うつもり―― 「零夜さーん…沙耶さーん……いませんかー?」 前言撤回。聞きなれた声だ。
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