第二章 つきもの

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翠菜は、持っていた湯呑みを膝の上に置き、手で包み込みながらぽつりぽつりと話しだす。 「私の母方の方に5才の従妹がいるんです。 その両親…叔父さんと叔母さんはホラー映画とかが大好きで趣味で心霊スポット巡りをするんです……」 「幼い娘さんを連れて……ですか?」 「いえ、普段そういうときは私の家で預かっているんです。ただ……」 「ただ?」 「従妹…茜ちゃんは、3日前のその日、いつもなら喜んで行くはずの私の家に来なかったんですよ。あの子“行きたくない”って言ったらしくて……」 「…………」
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